2009年4月1日。新年度のスタートの日。心新たに「あした天気になる?」の完成記念上映会を行った。
それまで数回の試写会を経てきたが、1日を除いて全て雨。しかも大降りの。
天気予報は1日の夜は雨との報道。そういえば福岡での完成記念上映会も大雨の中で迎えていた。
こんなに雨にたたられるなんて・・日頃の行いがよっぽど悪いか、タイトルがいけなかったのか・・
ガラス窓から外を眺め不便な中を来てくださる方々のことを思う。
6時30分いよいよ開場。
マスコミがとりあげてくださったこともあり前売り券は上々。
お天気の心配はいつしか「若し席が足りなくなったらどうしょう」に変わった。
というのは、日頃お世話になっている方々をご招待しているので、その出足次第では足りなくなる
危険もある。予定には無かったフロアーに25席の椅子を余分に並べて準備はしていたが・・・
7:00開映。福岡からはサンガーデン鞍手の長谷川本部長が、大阪からは音楽を担当した十河さんと
ピアノを演奏してくださった高瀬さんが駆けつけてくれた。
そして、客席は残念ながら心配したことにはならず、何席かの空席がちらほら・・
でも、約370席の会場に人がいっぱいになると言うのは嬉しいこと。
悪天候にもめげずに大勢の人が「あした天気になる?」を鑑賞してくださった。
みなさん、本当にありがとうございました。
画面をじっと見入る観客の方々を会場の真後ろから拝見し、今度の心配は、皆さんがこの映画を
どう受け止めてくれるかと言うこと。
もちろん自信はあるが、一人よがりに陥ってはいないか、現実をしっかりと剥ぎ取っているか、
そして、今後の普及につながるかどうか・・
映画を創るときには対象に魅せられ、ともかく彼らのことを理解したいと、しゃにむにカメラを回した。
この映画で私が一番言いたかったこと、それは、彼らの存在をともかく知って欲しいということ。
いま、発達障害は1つのブームになっているほどに多方面からとりあげられているが、施策にしても人々の
意識の中でもまだまだの感が強く、本当のノーマライゼーションの理念とは遠く離れたところに彼らは
おかれていると言う事実。
たまたまそのことを知った私は、映像製作と言う自分の仕事を通してそのことを社会に問うことの必要性を感じたことが、今回の映画製作の最初の動機であった。
そして約1年間、カメラを回す中で、まるでミイラ取りがミイラになったように発達障害のある彼らに魅せられていった。
彼らはどんな大スターよりも素敵な役者。その不思議な魅力は何処から来るのだろうか?
取材ではいつもそんなことを思いながらカメラを回した。
さて、完成度は?上映会ではいつも感想文を書いていただいているが、嬉しいことに評価はまあまあ高い。
一枚一枚それらを読みながら、私は映画を観てくださった観客の皆さんからまた、大きな励ましと勇気を
いただいた思いがしている。
さあ、これからは、普及に頑張るぞ!!
豪雨となった帰り道を心引き締め自宅に帰った。
みなさん、どうか、これからも大きな力をお貸しください。
そして、映画「あした天気になる?」彼らのことを一人でも多くの人に知っていただき、
本当に安心して暮せる社会を築く一助にしてください。
ありがとうございました。
【監督:宮崎信恵】
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